Shanghai 2007

旅日記 1日目(2007/04/30)-16

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そのオフィスビルのメインエントランス前に立っていた警備員さんに向かって、夫がトイレを借りたいとお願いしてみたのだけれど、思いっきり不審者を見る眼で私たちのことを見るだけで、中に入れてくれそうになかった。
でも、特に追い返そうとする風でもないので、もしかしたら言葉が通じていないのかも・・・と、夫が粘って交渉していると、中からスーツを着た人が出てきた。
その人に、もう一度夫が、私を指差しながら「眼にゴミが入ってしまったので、トイレを借りたい」と言ってみたら、ちらりと私の顔を見た後、「どうぞ、どうぞ」と招き入れてくれて、わざわざトイレの前まで案内してくれた。

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ものすごく親切なスーツの人にお礼を言って、すぐにトイレに駆け込み洗面台でコンタクトレンズを外し洗った。
ハードのコンタクトをしていて、眼にゴミが入っただけでも痛いのに、それが唐辛子の粉なのだから、今まで経験したことないくらいの痛さだったのだけれど、コンタクトを洗って、眼も洗って、もう一度着け直してみたら、無事痛みがなくなった。
ようやく落ち着いて鏡を見てみたら、充血というレベルを超えた真っ赤っかな眼になっていて、「そりゃー、あの人もトイレを貸さない訳にはいかないよなー」という顔だった。

眼が赤いのはさすがに治らないけれど、痛みはすっかり取れ、せっかくトイレを借りたんだし・・・と、用も足した後ロビーに戻ると、夫の姿がどこにもなかった。

外にいるのかな?と思い、エントランスに戻ってみても姿は見えず、なんだ結局夫もトイレに行きたかったのかーと思い、ボケーっとロビーで待っていると、トイレとは全く違う方向から、カメラを片手に満面の笑みを浮かべ戻ってきた。
夫は、トイレに行っていた訳ではなく、ちゃっかり建物の中を見学していたのだそうだ。
私の眼に唐辛子が入るという不幸を利用し、まんまと一番見たかった建物の内部に潜入することが出来た夫。
(さすがに満足するほどじっくり見ることは出来なかったようだけれど。)
もしかしたら、あの串焼きを買うと言い出した時から、これを狙っていた・・・訳はないか。
まぁとにかく、無事、私はコンタクトレンズを洗うことができ、
...

話題のビルは、
このビルではありません

夫は建物を見ることが出来たので、先程のスーツの人に再度お礼を言って、ビルを後にした。

その後、少し離れた所で、このビルを背に、「やり遂げた男の図」の写真を撮っていると、また雨がポツポツと降り出してきてしまった。
本降りになりそうだったので、急いでホテルに戻ることにした。

→ やっとホテル到着


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