France 2008

旅日記 2日目(2008/04/27)-04

... マルセイユのユニテ・ダビタシオン。
外観の写真は何度も見たことがあったけれど、実物はやはり迫力がある。
「とりあえず、建物全体の姿は後でじっくりと見ることにして、まず中に入るよーっ」と、上機嫌夫は、駆け出すように建物に向かっていった。

コルビュジェの建物は、『建築群と都市計画』として

世界遺産に登録するための申請中ということなのだけれど(08年春現在)、それに備えてなのか(このユニテがその建築群に入っているのかは分からないけど…)、ピロティは補修工事の道具が置かれていたり、バリケードで囲われていたりと、若干雑然とした印象だった。
とはいえ、このピロティは、さすがコルビュジェといった所なのだろう。
.
....

エントランスのすぐ横の外壁には、モデュロールのデザインが彫り込まれていた。
夫からのリクエストで、『モデュロールの隣で片手をあげ同じポーズをとった夫の図』という写真を撮った後、何故か「普通の格好で、もう一枚撮って」とのリクエストがあったので、『モデュロールの隣で格好つけて佇む夫の図』という写真を撮っておいた。

ユニテ・ダビタシオンというのは、コルビュジェが『低所得者層のための集合住宅』を依頼され

て設計したもので、住宅だけではなく、商店や幼稚園なども入っていて、その中だけでも生活できるような計画になっている。(さすがに今現在、全てこの建物の中だけで生活するにはお店の種類が少なすぎると思うのだけれど・・・。)

ユニテ・ダビタシオンという名の建物は全部で5つも建っているそうなのだけれど、一番最初に建てられた、このマルセイユのユニテ・ダビタシオンが、最もコルビュジェらしいと言われているのだそうだ。

以前、六本木の美術館で開催されたコルビュジェ展でも、ユニテ・ダビタシオンの1戸分の実物大模型が展示されていたのだけれど、ユニテの住戸はメゾネット式になっている。
現在は、事務所などとして利用されている住戸も多いそうなのだけれど、運がいいと、実際に住んでいる人に住戸の中も見学させてもらえることもあるらしい。でも、私達はあいにく、そういう気風のいい人には遭遇できず、住戸の中は見学することはできなかった。

とはいえ、今もこの建物には住宅や個人事務所などの他、いくつかのお店

...
やホテルなどが入っているため、そういった公共部分は、申し込みなどしなくても自由に見学することが出来る。(2008年5月時点。)
「この建物って本当に入っていいの?」と不安になりながら見学する建物って、実は結構多く、その都度夫は「全然平気だよ〜」と言い切るけど、私はいつも不安で落ち着かず、早く帰りたいというオーラを出しまくっているのだけれど、このユニテは正々堂々と(?)入ることが出来るので、じっくり見ることが出来そうだった。

エントランスを入ってすぐに、管理人さんがいる部屋などがあって、普通の集合住宅といった印象で、ちょっぴり拍子抜けしてしまった。
でも、細かな所ではコルビュジェらしい味付けもみられた。

左右の写真はスケールが全く違う写真なのだけれど・・・

......

↑こちらは、エレベーターホールの窓に貼ってあった色ガラスの飾り

掲示板に貼られたメモも全てモデュロールのイラスト入り↑

まず最初に屋上へ上がって、上から見学していくことにした。
ユニテの中は、コルビュジェらしく原色が使われているのだけれど、エレベーターの扉は真っ赤に塗られていた。

→ 次は屋上を見学


<<旅日記2日目-03 □ 目次に戻る □ 旅日記2日目-05>>