France 2008

旅日記 2日目(2008/04/27)-08

... ホテルの客室前の廊下へ移動すると、ちょうど昨晩使った客室の掃除をしいている真っ最中で、空気を入れ替えるためか、窓を開け、入口の扉も大きく開け放たれたままになっていた。

そんな状況を夫が見過ごす訳はなく、「ラッキー、部屋が見られるよ。」と、客室の中に入っていった。
ちょうどその瞬間、掃除の係りの人が通りかかったの

だけれど、チラリと見ただけで、特に注意する様子もなく通り過ぎていったので、掃除前の部屋なので、勝手に入って見学しても問題ないのかな?と良いほうに解釈してみることにした。

とはいえ、小心者なので、風にあおられ扉が閉まったら出られなくなるかも・・・なんてことを思って(今思えば、仮にオートロックで鍵がかかってしまったとしても、室内にいるのだから、問題なく開けられるはずなんだけれど、思いっきり小心者なので、その時は気がつかなかった)、私は扉の外で待っていたのだけれど、夫が「いいから中に入って見てごらんよ」とうるさいので(?)、勇気を出して、私も一瞬室内に入ってみたけど、一通り見渡したらすぐに、また廊下で待っていることにした。
といっても、とにかく狭い部屋なので、さすがに長時間見学するような室内でもないので、夫も早々に満足して、客室内の見学を終えていた。

... ...

狭いけれど、なかなか機能的な造りだと思う
・・・けど、これってシングルルーム?ダブルルーム?

夫がこの旅行の計画をたてていた時、このホテルに泊まるかどうか迷っていたらしい。
知り合いでここに泊まったという人が何人かいたし、夫自身かなり惹かれていたそうなのだけれど、日本を出発して、飛行機を乗り継ぎ、夜になってやっと到着した空港からここまで移動するというのは、さすがに疲れるだろうなと思い、泊まるのを諦めたのだそうだ。

...
バルコニーつき

客室に飾ってあった工事中の写真

そんな話を、この場で聞き、この部屋の狭さを見て、「それ、正解だったね。」と返事をしておいた。私だってもちろん、コルビュジェの建物はすばらしいと思うし、興味もあるけど、そんな強行軍でたどり着いたのがこのホテルだったら、ちょっとテンション下がりまくりだったと思う。

本当にコルビュジェが好きだったら、普通は、このホテルに泊まるだけで、テンション上がりまくりなのだと思う。
実際、この旅から帰ってきて、以前、ここに泊まったことがあるという人に、マルセイユではユニテのホテルに泊まらず、違うホテルに泊まったという話をしたら、ドン引きされて、「えーもったいないー、自分は次も絶対にあのホテルに泊まりたい」と言っていたらしい。

ということで、このホテルに泊まってテンション下がるのは私くらいかもしれない。(どうせ私はエセ・コルビュジェ好きですよー。)
ちなみに夫は、そんな私を連れて、残り8日間旅するって考えただけでもゾッとするので、この客室の小さなシャワーブースを見て、やはり泊まらなくて良かったと実感したらしい。
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大きな庇、その先には、コルビュジェのいつもの雨樋

こうして運よく、ホテルの客室内を見学することができ、大満足で内部の見学を終えた。
この後は、最初の宣言通り、外をぐるりと廻ってみることにした。
外もまた、たっぷりと時間をかけて見学した後、「もうさすがに満足」ということだったので、ユニテを後にして、マルセイユの旧港方面へ戻ることにした。

.....

この外部階段は1層でしか建物とつながっていない↑
店舗階の避難など法規上で必要だったのだろうか・・・

夫はもちろん大満足だったけれど、私もかなり満足していた。
コルビュジェの建物でも、ロンシャンの教会などは、もちろん『特別』で、見応えがあったし、とても感動したのだけれど、ロンシャンの教会のような有名観光名所ではなく、こういった普通に生活感のある建物の中にこそ、コルビュジェらしさが詰まっているような気がして、違う意味で『特別』な所に来ることが出来たような気になる。(といっても、このユニテも普通の旅行ガイドブックに載っているけど。)
「もしかしたらロンシャンの教会に行った時より感動したかもー」と夫に言うと、何故か夫が得意気な顔をしていた。

さすがに足が疲れていたので、帰りも、またバスに乗って地下鉄の駅まで戻ることにした。

→ 次は、旧港方面へ戻ります


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