France 2008

旅日記 2日目(2008/04/27)-10

... バスを降りると、残念ながら、聖堂はまだまだ上に建っていた。
でも、この場所が駐車場になっているので、路線バスで来た人だけでなく、車で来た人も、、プチトランで来た人も、みんなここからは歩いて上がっていかなければならないのでさすがの私も文句は言えない。
(いや、「駐車場はもっと上に作るべきじゃないのー?」などと、夫に向かって文句を言っていた・・・。)
ブツブツ文句を言いながら坂を上がっていく途中、エレベーターのマークを発見した。
もちろん文明の利器はありがたく利用させてもらいますよーと、その看板のほうへ喜び勇んで向かったのだけれど、エレベーターの前に掲示されていた各階の案内板を見て、建物内にレストランがあるのを発見した。
もう13時半を過ぎていて、かなり空腹だったので、ここで簡単に食事にしてしまおうかと思ったのだけれど、あいにくレストランは満席で並んで待っている人もいた。
きっと、このレストランは『超観光地料理』だと思うので、そのために並ぶこともないな・・・と思いなおし、空腹をこらえエレベーターに乗って、聖堂の入口がある階へ移動した。

聖堂の入口がある階は、建物の外周が見晴台のようになっていた。
ここからは、マルセイユを見渡すことができ、旧港を出航した何隻もの船や、イフ島などの島々も見えていて、本当に美しい眺めだった。

このマルセイユを見下ろす丘の上に建つ聖堂は、ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂という長い名前の聖堂で、ロマネスク・ビサンティン様式になるらしい。
もともと、この場所にはギャルド礼拝堂が建っていたそうなのだけれど、ギャルドというのは見張るという意味で、実際、礼拝堂の上には物見櫓があったのだそうだ。

聖堂の内部は、金色の装飾が施された明るい空間で、港町マルセイユらしく天井から、船の模型のようなものがたくさん吊るされていた。

.....

聖堂内部を見学した後、お土産屋さんに寄って、最近の旅の定番の(・・・と言っても、今回の旅で2度目だけれど)、日本語で書かれた、この町のガイドブックを買うことにした。
夫が本を選んでいる間、私はお店の中をウロウロしていたのだけれど、私に気付いた店員のおばさんが、この聖堂の日本語の解説DVDを再生してくれた。
廻りを見渡すと、店内に東洋人は夫と私の二人だけ。これって、明らかに私たちだけに向けて発信しているのよね?と思い、おばさんを見ると、ニコニコ微笑んで、私のことを見ていた。

夫は、一瞬「おっ?」と興味を示したけど、すぐにまた本に目を戻し、テレビ画面を見ようともしないので、これは私がおばさんの期待に応えなくてはならないのだろう・・・と心を決め、「あ、日本語だー」と声に出しおばさんに微笑み返し、その後は、「あら」「まぁ」「へぇ」とDVDの解説に相槌をうちながらガン見していた。

...

そのDVDで毎日上げ下げしていると説明されていた跳ね橋

夫もやっと買う本が決まったらしく、ガイド本を1冊手にして、私がDVDをガン見していたレジ前へやってきたのだけれど、相槌をうつ私をみて、失笑しつつ「何やってんの?」という冷ややかな一言を浴びせてきた。
「お、おまえが反応しないから、私が一人でがんばっていたんじゃないかーっ!!」と怒りが爆発したのだけれど、おばさんの手前、とびっきりの作り笑顔で「私達のために、日本語のDVDを流してくれていたんだよ、うふふ」と答えておいた。(で、もちろん、お店を出てから鉄拳を食らわしておいた。)

.... ←塔の上には、金色に輝くマリア像

こちらは敷地内の男子トイレの
ジェントルマンなサイン
手書き(風?)で味がある

この後は、また60番のバスに乗って、旧港方面へ戻ることにした。
細い路地を、猛スピードで下っていくバスは、行きよりもっとスリルがあったのだけれど、帰りはあっという間で、すぐに目の前に旧港が見えてきた。
とりあえず、旧港に着いたらバスを降りると決めていたので、ブザーを鳴らして下車した。

→ 次は、昼食


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