Shanghai 2007

旅日記 3日目(2007/05/02)-16

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この時点で、私は、「もう今日は上海に帰れないんだ。もしかして野宿?」と絶望していた。
夫はそんな私を恐る恐るチラ見しながら、「列車がダメだったけど、バスもあるんだ…」とつぶやいた。
普段の私だったら、バスでの移動は絶対に嫌なので、大ブーイングをするのだけれど、この時は、帰れないかもしれないと思っていたのが、「もしかして帰れるのかも」となったので、文句を言うのも忘れて、

「だったら最初から、そう言えばいいのに」なんて、ちょっとだけ上機嫌になっていた。

夫は、少しだけ浮上した私を見て、『今このチャンスを逃すな』とばかりに、「そうだよねーそうしようねー」と強引なハイテンションでバス停へと移動することにした。
しかし、運に見放された男は、とことん見放され、バス停になかなかたどり着けなかった。
「鉄道駅からそんなに離れていないと思うんだけれど…」とかなり不安げになっていたけれど、同じ方向に向かって歩いている人もたくさんいたので、私も「この道でいいんじゃないの?」とそれ程不機嫌になることなく対処していた。

しばらく、ちょっとだけ機嫌のバロメーターがプラスに移動した状態を維持した私を引きつれ、線路沿いの大通りを歩いていると、道路が工事中だったこともあり、ぐるっとUターンしてバス停に到着した。(工事中だったからで、遠回りしちゃった訳ではない。)

ここは蘇州北バスターミナルという所で、イメージしていたよりずっと大きく、立派なバスターミナルだった。

ここでは、昼間の鉄道駅に比べたらずっと少ない行列だったけれど、また列に並んでチケットを購入した。上海へ向かうバスの本数は多く、1時間弱後の18時20分発のバスのチケットを取ることが出来た。

こうして、無事バスのチケットを手にしてみると、「そう

...

かバスに乗るんだ」と実感してきてしまい、乗り物酔いするためバスの苦手な私は、またしてもどんどん不機嫌になってきてしまった。せっかく最も乗り物酔いしにくい鉄道の切符を、あんなに長い時間並んで取ったのに…と思うと、簡単に怒りはMaxまで戻っていった。

バスステーションには、ものすごく大きな体育館のような待合室があったのだけれど、満員で空いている椅子はなかった。
怒りMaxのまま立ち尽くす私を見た夫は、「外のほうが気持ち良さそうだから、外にいって座ろうか」と声をかけてきたので、仏頂面のまま夫に続いて外へ出ると、中庭のようになっている部分も、たくさんの人で溢れかえっていて、芝生の上に座っている人までいて、ベンチはもちろん全く空いていなかった。
この中庭に出た瞬間、夫の顔にはマンガばりにサーッと縦じまが入り冷や汗をかいていた。
そして仏頂面だった私は、より一層仏頂面になって、夫に続いて待合室へと戻ることにした。

→ 次は、やっと上海に戻ります


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