Shanghai 2007

旅日記 3日目(2007/05/02)-17

...

待合室では、やはり椅子がなく、ドヨヨ〜ンとした空気を漂わせたまま、待合室内にあるお土産屋さんをのぞいたり、トイレに行ったりして過ごしていた。
その間、ほとんどしゃべることなく、唯一発した言葉が、「水買っておいて」だけだった。
バスにどのくらいの時間乗るのか分らなかったけど、乗り物に乗るには、手持ちの水が少なすぎたので、この売店で買い足しておきたかったのだ。

夫も、この頃には『触らぬ神には祟りなし』と気付いたようで、特にまた、どこかに移動しようなんていう提案もせず、物悲しそうな目をしたまま、待合室に立ち尽くし、写真を撮っていた。
しかし、恐怖のあまりか(!?)、力いっぱい手振れした写真になっていた。

こんな緊迫した雰囲気の中でも、時は辛うじて進んでいて、私たちの乗るバスが出るという窓口に私たちのバスの番号が表示されたので、そこにいって並ぶことにした。
(また乗り遅れたら大変だし。)

列に並んでいる間、なんとか気持ちを浮上させようと思って口を開いてみたのだけれど、出てくる言葉は「蘇州って来る意味あったのかな」とか「明らかに下調べ不足だったよね」などと、文句しか出てこなくて、そんな一言毎に、夫の顔に出ているマンガ風の縦線が増えていって、完全に『ショックを受けているちび○子ちゃん』状態になっていた。

そんな状況も、やっと終わりに近づき、バスに乗車する時間になった。
チケットは座席指定のあるもので、夫の席と私の席は、少し離れた席になっていた。

2人連れでも、離れた席になっているグループが多いようで、乗車して少し経つと、席を替えてください…というような交渉が、あちらこちらで始まっていた。でも、私たちの間は『どんより』空気だったので、どちらも席を替えてくださいと言い出さずにいた。
その上、私の隣の人もカップルの片割れだったようで、席を替えてくださいと言われ、さらに夫から離れた席に座ることになった。
...
そんな状況に気付いたのか、夫の隣に座っていた人が、気を利かせてくれて「奥さんと席を替わりましょうか?」と言ってくれたそうなのだけれど、夫は「それだけは勘弁してください」と言ったとか言わなかったとか…。
とにかく席は替えず、離れたまま上海まで行くことにした。

心配したバスは、比較的いい道を通っているようで、酔うようなことはなかった。
上海までは1時間半くらいだったのだけれど、ウトウトしているうちに上海市内へと到着していた。そして夫の『距離を置く』作戦が成功したようで、上海に着く頃には、私の機嫌も少しだけなおってきていた。

→ 次は外灘をぶらぶら


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