France 2008

旅日記 2日目(2008/04/27)-06

... エレベーターホールは、エレベーターの扉が真っ赤、奥の壁は真っ青という強烈な原色使いだった。
原色使いはコルビュジェらしいといえばらしいのだけれど、塗ってある面が大きすぎるせいか、繊細さに欠けるデザインのような気がした。

それと比べると、階段室のほうは、手摺りなどに適量の原色が使われていて、美しかった。

階段室には窓もあって明るかった。
よく雑居ビルなどにあるような「ここって入っていいの?」と不安になるようなの薄暗い階段室とは違い、階段室もちゃんとデザインしてあって、とりたてて高い材料を使っている訳でもないのだけれど、贅沢な建物だなといった印象だった。
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↑左上の写真はエレベーターホール

階段室の手摺り→

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階段を降りて、住宅が入っている階へと入る。
住宅階は中廊下式になっているのだけれど、廊下の天井には照明がついていないため真っ暗だった。
各戸の玄関扉に照明があるのだけれど、それだけではやはり暗すぎる。

住戸の扉は、それぞれが、赤・緑・青・黄色といった原色で塗られていて、そこに照明をあてることによって、廊下が彩られるというデザインなのだと思うのだけれど、とにかく暗すぎる。
私のカメラで撮影すると、自動的に明るさが補正されるようで、実際よりずっと明るい色に写り、コルビュジェはこれを狙っていたのかな?というような写真が撮れたのだけれど、夫のカメラで普通に撮ると照明しか写らず、扉の色が分からないくらいの暗さなのだ。

私のカメラで撮ると、天井に玄関扉の色が映っていて美しい
でも実際目で見た時には分からなかった
私の眼が鈍感なのだろうか・・・

これはちょっと、コルビュジェも実際に建ってみてがっかりしたんじゃないかなぁ?なんて思うのだけれど、それは素人考えで、案外この暗さも狙い通りなのかもしれない。(住戸内は明るい2層吹き抜けのリビングがあるそうなので、そういう空間がより一層ドラマティックに感じるようにあえて暗くしているのかもしれない。)

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実際はこのくらい真っ暗です

玄関周りのデザインも面白い→

私達がこの中廊下にいる間、何組かの住人の方が出入りするのに遭遇したのだけれど、皆、嫌な顔もせずに、にこやかに挨拶をしてくれた。
これだけ有名な建物に住んでいる人に、知らない人に見学されるのが嫌という人はいないのだろうけど、さすがに住戸階はプライベートな空間なので、長時間見学するのは申し訳ないので(←それに実際暗すぎて、じっくり見る雰囲気でもない・・・って、それが狙いだったのかな?)、この階の見学は早々に切り上げて、ホテルや商店などが入っているという3階へ移動することにした。

→ 次は、中層階を見学


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