Sicilia 2008

旅日記 3日目(2007/12/29)-07

... 次は、考古学博物館の近くにあるサン・ジョヴァンニ教会へ行く。
ここは、6世紀頃、シラクーサの初代司教の墓所の上に建てられたものをノルマン時代(11〜12世紀)に再建された教会だった。
しかし17世紀末の地震で倒壊してしまい、ファサードなどの一部分だけが残っているだけなのだけれど、バラ窓もあって、なかなか趣きがある。
実際に中に入ってみると、廃墟といった雰囲気なのだけれど、外から見るだけでは充分立派な教会だった。

この教会のもうひとつの見所は、地下にあるカタコンベだった。
教会の右手奥にある入口から入ると、受付と小さな売店があった。

そこでチケットを購入しようと思ったら、カタコンベはガイドツアーでのみ見学可能ということだった。その時ちょうど15時になった所だったのだけれど、次のガイドツアーは、イタリア語と英語のツアーで、15時30分だと教えてくれた。
まだツアー開始まで30分も時間があるので、とりあえず今はチケットを買わないことにして、ベンチに座って、夫と協議をすることにした。

しかしこの時点で、私だけでなく夫ですら、カタコンベというものが、どういうものなのか全く分っていなかった。このスペースに掲示してあるポスターなどを見てみると、遺跡か何かのように見えたのだけれど、詳細は全く分らない。

...

この右手に入口があります

カタコンベと教会見学の入口

でも、この後の予定は『シラクーサの旅前半』を終え、ホテルに戻って夜の外出に備えるだけだと夫が言うので、今ここを見学しないで、そのままホテルに戻ると、時間がたっぷりある→昨日みたいに寝てしまう→また体調不良になる、という悪い流れになってしまいそうだったので、珍しく私から「見たい!」と主張してみたら、あっさりとそれが認可された。

その後、チケットを購入し、自動販売機で温かいレモンティーを買ってそれを飲みながら、まったりと待っていた。
ツアーに参加するのは私たちだけだったらどうしよう…と不安になっていたのだけれど、時間が経つに連れ、人が増えていった。
私たちのすぐ後に来たのは、フランス語ツアーを希望していたけれど、フランス語ツアーはないのかもっと遅い時間だったのかは分らなかったけれど、諦めて英語ツアーに参加することにした家族連れだった。
英語が苦手な英語ツアー参加者が私たちだけではなさそうなので、ますます心強かった。

時間になり、懐中電灯を片手にもったガイドさんと一緒に中へと進む。
まず地下に降りる前に、屋根が崩壊してしまい、庭のようになってしまっている教会内部だった部分に立ち、教会の説明を聞いた。
ここだけ写真撮影O.K.ということだったのだけれど、うっかり写真を撮り忘れてしまった。

...

内部の写真がないので、
またしても外部側面の写真

これは、別の場所の別の建物
…つまり、写真切れです

この後は、地下に入ってカタコンベを見学する。
説明を聞いて、やっと分ったのだけれど、ここは、ギリシア時代の水路を利用した地下墓所だった。地下墓所のことをカタコンベというのだ。
遺骨などは全て他の場所に移されているようで、今は墓所跡というより洞窟住居跡のような雰囲気なのだけれど、フレスコ画なども残っていて、そういったものに懐中電灯で光を当てながら迷路のようになったカタコンベの中を移動しながら説明してくれた。

その途中、フランス人家族のお兄ちゃん(推定高校生)が、『ここは子供のお墓でした』と説明された壁に開けられた小さな窪みに、弟(推定幼稚園児)を座らせていた。英語もイタリア語も全く分らなくて、ここがどういった場所か分らなくての行為だったのだろうか。
しかし、墓所と分っていての行動だとしたら、子供の墓所跡に子供を座らせるなんて、かなり大胆な行動だ。
ガイドさんも、驚いた顔をしてみていたけれど、特に止めることはなかった。

滝のように漏水している所もあって、いつもより短いコースだという説明があったのだけれど、フレスコ画だけでなく石棺などもあり、なかなか見応えがあった。

→ 次はホテルへ戻ります


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