Sicilia 2008

旅日記 4日目(2007/12/30)-09

... バスを降り、少しだけ戻った所を左に曲がり、少し道なりに歩いた所に、カプチン会修道院があり、ここにカタコンベがある。
教会の横にカタコンベの入口があるので、そこから地下に降りるようになっている。

このカプチン会修道院のカタコンベは、シラクーサのカタコンベと違って、遺体が安置されたままになって

いた。遺体は修道士や、聖人の近くで眠りたいと希望した富裕市民のもので、ミイラ化しているものもあるし、白骨化しているものもあって、それがまた、寝た状態だったり、座っていたり、立っていたり、と様々な姿で並んでいた。
富裕市民のものも多いということで、きれいに着飾って葬られている遺体も多かった。

シラクーサのカタコンベよりは、カタコンベ自体の規模は小さいのだけれど、何千体もの遺体が並んでいるので、ものすごい迫力だった。
正直、怖い…と思ってしまったのだけれど、ここは、遺体を見世物にしている訳ではなく、ガイドブックによると、『死者と対面し、自らの生を顧みる』場なのだそうだ。

カタコンベを経路通り進んでいくと、最後のほうに、特別に案内板が出されている遺体があった。これは将軍の2歳の娘さんの遺体で、この遺体だけは、剥製化されていて眠っているかのような美しい状態で保存されていた。
2歳という幼いときに亡くなり、将軍たち親の悲しみは深く、剥製化したのだろうけど遺体になっても、毎日多くの人に見られているというのは、本人にしたらどうなんだろうか。
見学に行っておいて今さら何を言っているんだ…って感じだけれど、確かにいろいろと考えさせられる場所だった。
この場所に安置されている人達は、みな、大事に美しく葬られているので、嫌なものを見たという感覚ではないし、夢見が悪くなるようなこともなかったけれど、誰にでもお薦めできる場所ではないと思う。怖がりな人や繊細な方にはお薦めできない場所だろう。

カプチン会修道院

...

カタコンベの入口

さすがに繊細ではない私達も、ここを出てすぐに観光に戻る気にもなれず、しばらく外のベンチに座り、時間を置いてから、バス停へと戻った。

修道院の前には、大きな駐車場があったのだけれど、そこにいた物乞いの人は、お金をもらえると、歌を聞かせてあげていたのだけれど、その歌はなかなか上手だった。

■ カプチン会修道院のカタコンベ
インディペンデンツァ広場から327番のAMAT社のバスに乗ります。

ヌオーヴァ門を過ぎ、左手にあるインディペンデンツァ広場の真ん中を通る道沿い(左側)にバスのチケット売り場があります。
この通りから、左に曲がってヌオーヴァ門から続いている道へ戻ってすぐの所にバス停があります。(広場の向かい側です。)
このバス停からは、様々な方面へのバスが出ていますので、間違えないように注意してください。

インディペンデンツァ広場からバスに乗ってから5分程度で到着します。
アナウンスなどはないので、運転手さんに教えてもらえるようにお願いしておくといいと思います。

120分間乗車できるチケットが 1ユーロです。(2008年1月現在)
カタコンベで特に長時間見学しなければ、この1枚のチケットで往復できます。
バスに乗ったら、車内にある刻印機にチケットを差し込んで、使用開始時点の乗車時刻を刻印します。

インディペンデンツァ広場から歩いた場合も20分くらいの距離だと思います。広場の先から、「Via Cappuccini」という通りに入り、しばらく歩き、カタコンベの看板が出ている所を右に曲がると、突き当たりに修道院があります。

■ AMAT社のWebサイト
http://www.amat.pa.it/
英語ページあり。
時刻表の検索、乗車券の値段等も調べられます。

→次は、街へ戻ります


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