Sicilia 2008

旅日記 6日目(2008/01/01)-12

... エリチェの街は、通りを跨いで設置するようなクリスマス飾りがなかった。お店が独自に設置している飾りがいくつかあったくらいで、通り全てに点けられいるものはなく、それぞれのお店が、玄関を囲うように設置したクリスマス飾りの小さな豆電球の明かりがキラキラと輝いているくらいだった。
でも、細くて曲がりくねった路地なので、小さなクリスマス飾りの明かりでも充分華やかに見えた。

夜になり、街を下って行く人が多くなってきた。
やはりエリチェは日帰りで来る人が多いのだろう。
もちろん、数時間で充分堪能できる小さな街なのだけれど、

1泊するからこそ、味わえる魅力もある街だと思う。

ただ、エリチェは霧の街と呼ばれているそうなのだけれど、この日はお昼過ぎから、どんどん『完璧な晴れ』になっていってしまったからか、霧は全く出ていなかった。
(ちなみに翌朝も出ていなかった…。ちょっと残念。)

歩いて、ぐるぐる廻っていたのだけれど、裏通りは人通りが少ないだけでなく、街灯も少なく、治安は全く悪くないので怖くはなかったけれど、面白くはないので、目抜き通りばかりをぐるぐると歩いた。
さすがに寒くなってきたので、甘いものを売っているお店に入って休憩することにした。

...

お店の中のショウケースには、色々な種類のお菓子が並んでいた。
どれもおいしそうで迷っていると、店主らしき男性が、「これがそれだよ」というようなジェスチャーをして、カットされたお菓子を私の目の前に出してくれた。
これって、試食していいって意味だよね?と思ったのだけれど、試食にしては大きなカットだったので、「あの大きなケーキも、小さくカットして売っているよ」という意味かもしれない…と躊躇していると、店主がお店の裏に行っている隙に、私の隣にいたおじさん5人組みが、次々とそのお菓子に手を出し、全部食べきってしまったのだ。私は一切れも食べていないのに!
店主が奥から戻ってきた時、空になったお皿を見ても、それ程リアクションをしていなかったけれど、きっと、「あの東洋人、すっごい食べたなー」と驚いていたに違いない。

他のお店のショーウィンドウ

...

このお店のクリスマスツリー

そうやって動揺してしまったせいか、甘いお菓子を2個ずつ選んだのだけれど、全てがイメージしていたのと違う味だった。
海外のお菓子はものすごく甘いものだけれど、私達が選んだものは2つとも強烈に甘く、ちょっと鼻の奥が痛くなる程だった。
おいしかったけれど、1個だけにしておけば良かったのかもしれない。

このお店は、奥に小さなテーブルが2つ置いてあって、座って食べることができるのだけれど、コーヒーなどは置いていなくて、飲み物は、お店の奥にある冷蔵庫にある缶ジュースしかないということだったので、レモンティーを選んだのだけれど、これもまた甘すぎだった。
私達のような甘さ控えめのお菓子になれている日本人には、苦〜いエスプレッソと一緒に食べたくなるお菓子だと思う。

...

奥の椅子に座って食べていたのは、私達と、先程の甘党おじさん5人組だけだったけれど、持ち帰る人や、そのまま立って食べる人も多く、常に混んでいるお店だった。
このお店の並びにも、同じ様に甘いものを売るお店があったので、ここは特に人気のある店のようだった。
入るときは全く気がつかなかったけれど、お店の外には、日本の雑誌で紹介された記事などが貼りだしてあった。

その雑誌の切り抜きをみたら、先程、試食(?)を薦めてくれたおじいさんの奥さんの名前が店名だったので、おじいさんが作っているのではなく、奥さんが作ったお菓子だったようだ。
雑誌に載っていた奥さんも、カウンターの中にいて、私達が、お店の入口近くで写真を撮って帰ろうとしていたら、カメラ目線で答えてくれた。(ただ単に見ただけかもしれないけど。)

この後は、また一度ホテルに戻って休憩することにした。

→ 次は、ホテルで休憩


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