Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-05

... その教会は、サンタ・マリア・ディ・グレーチ教会という名前だった。
門から教会の入口までのアプローチ沿いでは、レンガ積みの展示スペースのようなものがあって、クリスマスの厩の飾りなど季節のものや、昔のこの地方の人々の暮らし振りなどを表現した小さな人形が展示してあった。
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教会の建物自体は、とても小さかったのだけれど、木造の天井が、その規模にぴったり合っていて美しかった。

そして、この教会の床の大部分がガラス張りになっていた。
覗き込んでみると、床下には建物の基壇が残っていた。
説明によると、ギリシャ神殿(ドーリア式神殿)の基壇なのだそうだ。
アグリジェントの神殿というと、南側に広がる『神殿の谷』と呼ばれる所だけあるのかと思ってしまうのだけれど、この北側の丘にもあったのだ。

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アグリジェントで買った本によると、ギリシャ時代には、アグリジェント全ての地域に渡って都市設備が整えられていて、現在『中世・近代地区』と呼ばれている北側の丘には、その当時アクロポリスがあったのだそうだ。
ただ、その後、近代に北側の丘は住居地区となって開発が進んでしまったため、その痕跡を見ることは、ほとんど出来なくなってしまっているのだと書かれていた。
この教会の中で見られるドーリス式円柱の基壇は、この地域で見ることが出来る、数少ないギリシャ神殿(の廃墟)なのだそうだ。

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教会の床下に残る神殿基壇

木造の天井

アグリジェントに来たら『神殿の谷』に行かない人はいないと思うので、わざわざ坂を上がって廃墟をみなくても…と思う人も多いかと思うのだけれど、このような住居地域に残っているわずかなギリシャ時代の痕跡を発見するのも、また楽しいものかもしれない。

→ 次も、またまたぐるぐる


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