Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-06

... サンタ・マリア・ディ・グレーチ教会から坂を上がっていくと、大きな通りへ出た。
今まで歩いていた道は、道幅が狭かったし、途中が階段になっているなどして車が通ることの出来なそうな道ばかりだったのだけれど、この道はアスファルト舗装されていて、車の通行可能な通りになっていた。
片側にずらりと車が停められていたのだけれど、それでもまだ車がすれ違うことも出来るくらいの道幅があった。

あんな路地の上に、こんな道があるなんて!と驚いてしまったのだけれど、私達がたまたま街の中心のゴチャゴチャとした路

地を歩いてきただけのことで、外周にはちゃんと、車で上がってくることが出来る立派な道路が整備されていたのだ。
「苦労して歩いて上がってきたのに、すぐ横を大型観光バスが追い抜いていって、ドヤドヤと大勢の観光客がカッテドラーレに入っていったら、ちょっと悲しいね」と笑っていたのだけれど、さすがにそういうシーンには遭遇せずに済んだ。

しかし、もう少し歩いていくと、そういうシーンに遭遇しなかったのも納得できた。
街の一番上にあるカッテドラーレは改修工事中で、中に入ることが出来なかったのだ。

...

先程道を尋ねたときに、おばさんが、『カッテドラーレ…ドゥオモ…』とイタリア語で何か説明してくれていたのだけれど、それって、『カッテドラーレはドゥオモのことよ』と言っているのだと勝手に解釈していたのだけれど、もしかしたら『閉まっているわよ』と教えてくれていたのかもしれない。(もしかしたら、本当に『閉まっている』言っていた訳ではなく、『ドゥオモ』だと言っていただけかもしれないけど。…建物は外観だけ見るだけでも楽しい…ってこともあるし。)
その国の言語が話せなくて本当に困った、っていうことはあまりないのだけれど、こういう小さな『ありゃりゃ』はたくさんあるのだ。

カッテドラーレは車が通ることの出来る通りから、さらに階段を上がった所に建っていたのだけれど、階段の下に工事中というような案内も出ていたし、バリケードのようなものも見えていた。でも夫は、ここまで上がってきたので諦め切れなかったのか(もしくは私の視線が痛かったからか)、ちょっと見てくるから待っててと言って、また一人で階段を上がっていたけれど、すぐに、ものすご〜く悲しげな顔をして、「やっぱり入れなかった」と戻ってきた。

夫は、さすがに、しまったー怒られるーって顔をしていたけれど、とりあえず、この途中で、ギリシャ神殿の基壇も見ることも出来たし、夫が悪い訳でもないので、「ふ〜ん、閉まってるんだね〜、残念〜」と言うだけにしておいた。(それだけでも充分、声に棘があったらしく、夫は震え上がっていた。)

→ 次は、下ります


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