Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-10

... 今から、バスに乗って遺跡のある神殿の谷方面へと向かう。
ガイドブックには詳しいバス停の位置が載っていなかったのだけれど、アグリジェントに着いてすぐに会ったおじさんが、駅の上手に見えていた広場のほうを指差して『あの広場の上のほうにバス停がある』というようなことを教えてくれていたので、アテネア通りの一番東端にある広場のほうへ移動した。
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夫の計画では、遺跡に行く前に、その手前にある考古学博物館に寄ることになっていた。
ガイドブックにも、博物館で予備知識を仕入れておくといいと書かれていたし、確かに神殿の谷へと向かう経路上、一番最初にあるのが博物館なのだそうだ。
考古学博物館には1、2、3番のバスで行くことが出来るとガイドブックに書かれている。
アテネア通りの一番端の広場を超え、反対側の通りに出た所でちょうど、そのバス(1〜3のうちの何番だったかは失念)が信号で停まっているのが見えたので、手を振りながら走って向かうと、扉を開けて待っていてくれた。

乗車する時に、夫が、運転手さんに「考古学博物館に行きますか?」と聞くと、行くよという答えが返ってきたので、乗ってすぐの所にあった刻印機で駅のバールで買っておいたチケットに刻印をした。
しかし、夫の分は上手くいったのだけれど、私の分の刻印が上手く出来ず、何度か試していると、近くに立っていたおじさんが、私が使い方が判らないと思ったらしく、『そこに差し込むんだよ』と教えてくれた。
その教えてくれた差し込み口は、私が何度も試していた所だったので、力が弱いんだろうか?と思い、力をこめて、グイッと差し込んだら、チケットが刻印機に飲み込まれてしまった。

「どどどどどどうしよーっ」と焦って、廻りを見渡したのだけれど、夫は既に少し離れた所に座っているし、さっき差し込み口を教えてくれたおじさんは心配そうに見ているだけので、「もうこれは何もなかったことにするしかない…」と思い、「えへへへへへ」と怪しいジャパニーズスマイルを浮かべつつ、夫のいるほうへと移動した。

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夫に、切符飲み込まれちゃった…と報告したら、「あーあー、また壊したのー?」と笑われたけど(…って、他には何も壊してないけど)、その後乗ってきた人は、普通に刻印できていたみたいなので、刻印機は壊れてはいないようだった。
ただ、90分間乗車できるチケットだったので、博物館から遺跡へと向かう際にも同じ切符でバスに乗ることが出来るはずだったのだけれど、チケットが飲み込まれてしまったので、帰り用に買った切符を使わなければならない。
でも、まぁ、その時はその時だ!ということで、今はとりあえず、その事実を忘れてみることにした。(まぁ、今ここで悩んでもしょうがないし。)
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バスの中

考古学博物館からの眺め

そうこうしていると、バスの運転手さんや、先程差し込み口を教えてくれた人など、前のほうに乗っていた乗客みんなが、私達のほうを見ながら『ムゼオだよ』と教えてくれた。
乗車した時に行き先を尋ねただけで、着いたら教えてくださいとお願いしておいた訳ではないのだけれど、こちらの人達は、みな本当に親切だ。
みんなで教えてくれたので、とりあえず、前方全体に視線をいきわたらせつつお礼を言って、バスを降車した。

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