Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-11

... バスを降りた所から、敷地の奥のほうへ進むと、小さな回廊がある中庭のような所に出る。
ここに博物館の入口がある。

中に入った所でチケットを買うのだけれど、「これから神殿(テンピオ)に行くのか?」と聞かれ、そうだと答えると、神殿との共通券があるけどどうする?と聞かれたので、共通券を購入することにした。

この博物館は、中世のキリスト教修道院の遺跡の一部を改装したもの(先程の中庭は修道院のもの)で、アグリジェントの古代都市から出土されたものの他、アグリジェント周辺の街から出土された様々なものが展示されている。

この博物館で、一番の見所は、上の写真の人像柱テラモーネの展示だと思う。
2層分の高さを吹き抜けにした展示室にあるのだけれど、これは、神殿の谷にある『ジョーヴェ・オリンピコ神殿』を飾っていた柱で、高さは8メートル近くある。
この人像柱は単なる意匠的な飾り柱ではなく、実際に梁を支え、構造的にも重要な柱だったのだそうだ。

この柱が、どのように配置されていたかという記述はないため、様々な仮説があるのだそうだけれど、その仮説の中の1つを基にした『ジョーヴェ・オリンピコ神殿』の模型が、テラモーネの部屋に展示されているのだけれど、その対比から、ジョーヴェ神殿の大きさに驚かされる。

神殿にも、このテラモーネが寝かされた状態で展示してあるのだけれど、そちらはレプリカで、この博物館の中にあるものが本物なのだそうだ。
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足元にあるのが
神殿のミニチュア

人像柱とドリス式列柱との高さを比較すると
神殿の巨大さがよく分かる

この部屋をじっくりと見た後は、他の展示室も順番に見て歩いた。
その途中、外に出ることが出来る扉があって、外には遺構が見えていたので、夫が外に出ていったのだけれど、なんとなく私は「この扉はオートロックなんじゃないかな?」と思って中で待っていた。

夫が「なんでこいつは出てこないんだ?横着だなー」って顔をしてるので、扉を開けて、「このドア、外からは開かないと思うんだけどー」と言って、もう一度中に入って扉を閉めてみた。
慌てて夫が戻ってきて、外から、扉を開けようとしたら、案の定鍵がかかっていた。
まぁ、仮に閉め出されたとしても、外を廻って出られるとは思うのだけれど、夫に「よく気付いたねー」と褒められ(おだてられ?)、上機嫌だった。

...

テラモーネの頭部
3種類の顔があるらしい

博物館の北側に広がる遺構
2つの時代の遺跡があるらしい

他の展示室の見学を終え、外に出ようと思ったのだけれど、遺跡群に行ったら、ちゃんとしたトイレがないかも…と思い、再度テラモーネがある展示室の奥のトイレまで戻った。

その間夫は、博物館入口の受付の反対側にある小さなミュージアムショップを見ていて、またしてもアグリジェントの遺跡について書かれた本を買う気になっていた。
こういう本って、家に帰ったらもう見ないんだろうなーと思いつつ、まぁ高いものでもなかったので(7ユーロ)、その本を買って、博物館を後にした。
(ちなみにこの本、日本語の解説本で、ガイドブックよりずっと遺跡の解説が詳しいので、遺跡見学の際、いろいろとわかって面白かった。)

→ 次も、もうちょっと博物館


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