Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-12

... 博物館を出て、バス通りへ戻ろうと思ったのだけれど、どこから入ってきたのか分からなくなってしまってキョロキョロしていたら、博物館から神殿の谷方面を見渡せそうな場所が見えた。
せっかくなので、そこから神殿を眺めてみようと移動したら、その裏手には、先程見た遺構とは別の遺構があった。
ここは、円形劇場型の集会場の遺跡など、異なる時
代の建築物の遺跡が残っている。

集会場(エクレシアステリオン)の端には、その上を歩くように通路が作られていて、そこを通って周囲からぐるりと見学するようになっている。
このエクレシアステリオンは紀元前4〜2世紀に建設されたものなのだけれど、紀元前2〜1年には使われなくなってしまい、広場で覆われてしまっていたため、この時代の公共建築の中では保存状態が良いほうなのだそうだ。

この観客席側の端に建つ小さな建物は、紀元前2〜1世紀に建てられた神殿で、中世時代には、祈祷所(オラトリオ)として利用されていたものらしい。
上の写真の左端の建物なのだけれど、とても質素なので、そんな立派な(?)遺跡とは思えず、素通りしてしまいそうだった。

オラトリオの前から集会場を見る

この遺構に造られた通路からは、神殿の谷方面を見渡すことが出来る。
これから行く遺跡群なのだけれど、その先に海も見えるので、ここからの眺めもまた美しいものだった。

出口が発見できなかったため、偶然たどり着くことになった、この遺構群。
ガイドブックをちゃんと読めば、この遺構についても触れられていたのだけれど、その時は全く読んでいなかったので、あやうく見ず帰って、後から(この旅行記を書く際に)知るというパターンになるところだった。
方向音痴というのも悪い事ばかりではないのだ。

...

この後は、またバスに乗って遺跡へと向かおうと思ったのだけれど、どこがバス停か分からなかったので、途中でバスが来たら、また手を振って停まってもらって乗せてもらうことにして、とりあえず遺跡方面へ向かって歩いてみることにした。

...
 左:考古学博物館の中庭(古い修道院のもの)
 右:考古学博物館前の道を進むと、遠くに遺跡が見えてくる

結局、神殿にたどり着くまで、バスが通ることはなかった。
でも、その間ほとんどが緩やかな下り坂だったし、大きなバス通りの道なりに歩いていけば迷うようなこともないので、オリーブなどの木々を見ながらピクニック気分で歩いて苦はなかった。20分弱のプチ散歩も、暑くも寒くもない時期には悪くない。
(バスのチケットも刻印機に飲み込まれてしまっていたので、ちょうど良かった。)

→ 次は、神殿を見学


<< 旅日記8日目-11 □ 目次に戻る □ 旅日記8日目-13>>