Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-14

... この後は、また駐車場などがある所まで戻った。
この駐車場の手前にあるカフェの裏のほうへいったところにトイレもあった。
夫はここでトイレに行ったのだけれど、私は博物館でがっつり(?)行っておいたので、この場では利用しなかった。
その後カフェで休憩しようかとも思ったのだけれど、遺跡は日没で閉館してしまうということだったので、
先にこの通りの反対側にある遺跡も見学してしまうことにした。
ここも、博物館で購入した共通券で入ることが出来る。

まず最初に、エルコレ神殿の8本円柱が見えてくる。
この遺跡群も、先程の遺跡群と同じ様に入口はひとつしかなく、ここに戻ってくるのかと思い、ここは帰りに見学することにして、先に、その奥にあるコンコルディア神殿へと向かった。

緩やかな坂を上がっていくと、丘の上に、ほぼ完璧な形で建っているコンコルディア神殿が見えてくる。この神殿は、紀元前5世紀に建てられたものだ。
そんな2500年くらい前の建物がほぼ完璧な姿で残っているのは、A.D.6世紀になって、キリスト教のバジリカとして転用されるなどしたためで、壁を新しく付け加えるなど、手は加えられてしまったのだけれど、破壊や放置されることなかったのだそうだ。
その後18世紀に復元工事が行なわれ、壁などが取り払われ、ギリシャ建築の本来の美しさが再現されたということらしい。

...

コンコルディア神殿

ここを見学している最中(もちろん神殿内部には入ることが出来ないので、廻りから見るだけだけれど)、この敷地の奥からも、たくさんの人が来るのに気がついた。
入口に戻る人たちかとも思ったのだけれど、その人達の多くは、このコンコルディア神殿を見て感嘆の声をあげるので、どう考えても初見といった雰囲気だった。

それなので、駅でもらった地図を確認してみると、こちらの遺跡群は、先程の遺跡群とは違い、通り抜けすることが出来るようなのだ。(で、よく見たらガイドブックに載っている地図でも、思いっきり通り抜け出来る表記になっていた。)
私達が入った入口から見て、一番奥にある神殿は、かなり離れて建っているようだったので、日没も近づいてきていたので、見学出来ないかもしれないね、と話していたのだけれど、通り抜けできるなら、そちらから出ることにすれば、近くで見ることが出来そうだった。
それなので、私達も通り抜けて見学をすることに変更し、先程遠くから見るだけだった、入口近くにあったエルコレ神殿まで戻ることにした。

エルコレ神殿に戻る頃には、太陽が海に沈む所で、夕焼けがとても美しかった。
やはり先に旧市街を見学して、午後から遺跡を見学に来て正解だった。
この神殿は、紀元前6世紀ごろに建てられた、アグリジェントで最古のドーリス式神殿だった。

...

エルコレ神殿

8本の列柱が復元されているのだけれど、これは19世紀に行なわれたものらしい。
神殿は、地震で倒壊したといわれているそうなのだけれど、そのすぐ近くに建っているコンコルディア神殿は、ほとんど無傷で残っているのだから不思議だ。
コンコルディア神殿は後から加えられた壁などのおかげで耐震強度が上がっていたからなのかもしれないけれど、このエルコレ神殿が崩壊してしまった理由というのは、今でも諸説あり議論され続けているのだそうだ。

→ 次も、この神殿群


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