Sicilia 2008

旅日記 8日目(2008/01/03)-15

... エルコレ神殿を見学している間に、太陽は水平線の近くにきていた。
ガイドブックには、閉館は日没の1時間前と書かれているので、そろそろ出口へと向かうことにした。

この遺跡群の一番端にある(と思われる)ジュノーネ神殿までは、かなりの距離がありそうだったし、その神殿から出口まで、どのくらいの距離があるのかも

分からなかったので、若干急ぎ足で、先程行って戻って来た坂道を上っていった。
丘の上にあるコンコルディア神殿へ戻った時には、ゼーゼーと息があがる程だった。

コンコルディア神殿は、先程も順光で美しかったのだけれど、夕日で赤く染まったこの神殿は一段と神々しかった。見学している人も少なかったせいもあり、なんだかちょっぴりセンチメンタルな気分になる美しさで、ボキャブラリーの少ない私の頭にも、栄枯盛衰なんていう四文字熟語が浮かんでいた。

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 左:赤く染まるコンコルディア神殿(写真が下手ですが、実物はもっと神々しい)
 右:コンコルディア神殿の先にある城壁跡と墓地(多分…)

その栄枯盛衰な美しさに魅せられてはいたけれど、コンコルディア神殿は、今歩いてきた『Via Passeggiata Archeologica』という通りから、さらに上がった所に建っているので、今回は近くまで行かず、通りから見るだけにしておくことにした。

しかし、このシャッターチャンスを逃すものか!と気合を入れて神殿の近くまで上がった夫が、「すっごいきれいだよー」と手招きをするので、渋々私も上がってみると、太陽がまさに水平線に沈んでいく所だった。水平線に近い太陽は、とても大きく見え、坂道を急ぎ足で上がってきた疲れも吹き飛ぶ美しさだった。

一日のうち、ほんの短い時間帯にしか味わえない美しい風景を満喫した後、急ぎ足でアップダウンのある『Via Passeggiata Archeologica』を進んでいく。
途中、この通りから横道に入って坂を少し下った所に、カフェやトイレがあるという看板が出ていたけれど、もう時間もないので、そのまま出口へと向かった。

そしてやっと、一番東端になるジュノーネ神殿の近くまでたどり着いた。
しかし、ジュノーネ神殿もまた通りから離れた丘の上に建っていて、その距離は先程のコンコルディア神殿よりも遠かった。
このジュノーネ神殿もコンコルディア神殿と同時期に建てられたもので、今度はライトアップが始まっていたので、今までとはまた一味違った魅力があったのだけれど、ここまで休憩なしで歩いてきたので、その丘の上まで上がる余力はなかった。

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ジュノーネ神殿
こんな高い所に建っています

横架材が残っているため
他の神殿とは趣きが異なる

通りから神殿を見上げて味わった後、再び坂を下っていくと、やっとこの『Via Passeggiata Archeologica』という通りの東端、こちらの遺跡群の東側の出入り口へたどり着いた。

門の外へ出ると、そこは車が通るちゃんとした道路になっているのだけれど、バス停などはないし、人もいない、たまに通るのは車だけという、「ここが、あの観光名所の出入り口?」という微妙に寂れた光景が広がっていた。
夫は、通りで待っていたら、タクシーかバスが通るだろうと言うので、とりあえず、通りに出て待ってみることにした。

→ 次は、駅に向かい・・・たい


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