Sicilia 2008

旅日記 9日目(2008/01/04)-04

... 劇場を出て、夫が「多分この先にデパートがあると思う」と言う方向へ進んでみたのだけれど、行けども行けどもデパートを発見することは出来なかった。
洋服屋さんや化粧品屋さんが入った複合施設のようなものはあったのだけれど、私が今買いたかったのは、お土産用のBaciチョコだったのだけれど、そういう食品を売ってそうなお店は、一軒も見つけられなかった。

10分くらいお店を探して、その近辺をウロウロしてしまったのだけれど、チョコは空港に行けば、(間違いなく)大量に売っているので、今ここで絶対に買わなければいけないものではなかった。

単に、ここでチョコを買っておけば、スーツケースに入れることが出来るので、帰りが楽かなぁと思っただけだったので、デパート探しは早々に諦め、マッシモ劇場方面へと戻り、時間まで近くのカフェで休憩することにした。

マッシモ劇場の近くは、パレルモに着いた最初の日の夕食を食べた所だったので、『あの辺りにカフェがある』という確証があったので、迷うことなく、その通りへと向かった。
カフェに着いたのがツアー開始の20分前だったのだけれど、とりあえず、チャッチャとお茶をしてしまうことにし、カプチーノと甘いものを注文した。
お天気は、あまりよくなかったけれど、寒くはなかったので、通りに出されたテーブルに座ることにした。

20分しかなかったけれど、小さなお菓子を食べるには充分な時間だった。
お菓子を食べ、コーヒーを飲み干し、トイレも借り、準備万端でマッシモ劇場へと戻った。

...

夫はまたしてもカンノーリ、私はチョコケーキ

マッシモ劇場は19世紀末に建てられた劇場だった。
一時期、閉館して修復工事が行なわれ、20数年にわたる大修復が終わり、10数年前から、また劇場として利用されているのだそうだ。
今でも定期的に、オペラなどが上演されているのだけれど、公演がない間だけ、ガイド付きのツアーで内部を見学することが出来るのだ。

私達が参加した12時40分開始のツアーは、かなりの大所帯だった。
先程のきれいな英語を話した女性がガイドさんだったので、私達用に特別に英語で説明してくれるかも…と淡い期待を抱いていたのだけれど、任務に忠実だったようで、ガイドツアー中、英語は一言も発しなかった。

ツアーガイドでは、5層になったボックス席を見学し、他に、サヴォイア家のために造られた、前室のある豪華なロイヤルボックス席なども見学する。
ここは、今でもVIP専用なので、ツアーガイドでないと入ることが出来ない場所だった。

イタリア旅行も最終日となると、イタリア語だけの解説も半分くらい理解できるようになり(…って、イタリア語が理解できている訳ではなく、知っている単語が出てきただけなのだけれど)、シャンデリアには、ベネチアのムラーノ島のベネチアンガラスが使われているなどといった説明を聞きながら見学して歩いた。

...

観客席を見学している時までは、写真を撮っている人が結構いた。
中にはフラッシュをたいている人もいたのだけれど、ガイドさんは特に注意する様子もなかったので、私たちもフラッシュこそたかなかったけれど、客席の写真を何枚か撮った。
でも、その後VIPルームへ移動し、誰かが写真を撮ろうとカメラを構えたら、「カメラはダメだ」と注意しているおじさん(←この人も見学者なんだけど)がいた。
VIPルームだけ写真はダメなのか、本来客席も写真を撮ってはいけなかったのか、よく分からなかったけれど、私もそのおじさんに怒られたら嫌なので、それ以降、写真を撮るのはやめておいた。

その後、VIPルームを出て、円形の小さなホールを見学した。
そこは、天井の中心と、床の中心が微妙にずれていて、声がきれいに反響する部屋だった。
ガイドさんに声をかけられ、何人かが部屋の中心に立ち「アー」とか「ハロー」とか声を出していたのだけれど、何番目かに立った女性は、賛美歌を歌った。

その声は、プロ並にきれいで、大喝采を受けていた。

その次に、「写真を撮ってはいけない!」と注意していたおじさんも歌を歌たったのだけれど、おじさんの歌は、あまり上手ではなかった。
でも大喝采の直後だったので、みんな気をつかって(?)大拍手していた。(それがオトナってもの!?)

それからしばらく、順番に真ん中に立ち、歌を歌ったり、何か言葉を発したりしていた。
夫と私も、隣の人に、「せっかくだからやってみたら?」と熱心に勧められたのだけれど、歌に自信がなかったので、遠慮しておくことにしたのだけれど、突然夫もツカツカと真ん中に歩み出て、「ワホー」と中途半端な声を発していた。

...
イタリア語ツアーに参加した、唯一の東洋人だったからか、そんな中途半端な掛け声にでさえ、みな暖かく拍手をしてくれていた。
こうして、私以外のほとんどの人が真ん中に立った後、約40分のガイドツアーが終了した。

この日見学したノルマン王宮もマッシモ劇場も、最後まで写真を撮っていいのかダメなのか分からないまま終わってしまった。
シチリアは、まだまだそういうところが甘いのだろうか。
なんだか、よく分からないまま、中途半端に数枚写真を撮って(その上、しっかりこのページに載せてしまったけど・・・)、パレルモ観光を終えた。

→ 次は、最後の昼食


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