France 2008

旅日記 2日目(2008/04/27)-16

... レビュブリック門から真っ直ぐ伸びる道が、アヴィニヨンのメインストリートなのだそうだ。
ここを歩いてすぐ、緩やかな下り坂になっている所を左に曲がると、突き当たりがホテルの入口になっていた。
バス停からは、歩いて1,2分といった所だった。

この日から4泊するのは、クロワトル・サン・ルイホテルという名前のホテルで、16〜17世紀に、イエ

ズス会の修道院として建てられた建物を利用したホテルだった。
一時期、病院として使われていたこともあるそうなのだけれど、ホテルの入口を入ってすぐの修道院らしさを残した中庭が印象的だった。
でも、今回泊まるのは、この古い建物のほうではなく、新館のほうを予約していた。
新館は、ジャン・ヌーベルが設計している。

入口を入ってすぐ、小さなフロントがあったので、そこでチェックインの手続きをした。
フロントの人は、分かりやすい英語を話してくれて、「修道院の回廊を利用したレストランがあって、そこで朝食になるのだけれど、夕食もお薦め。でも、今晩はすでに予約で一杯なので、明日以降利用したい場合は予約をしてください」などと説明をしてくれた。

フロントから部屋へ向かう途中、そのレストランの入口の前を通るのだけれど、中庭に面した回廊を利用したレストランは、キラキラと照明が輝いていて、中から幸せそうな笑い声が響いていた。(←この時、私たちはまだ夕食のお店も決まっていなくて、おなかも空いていたのだけれど、このレストランを利用することが出来ないんだなーって思ってみていたから、余計幸せそうに感じたのかも。)

回廊を利用したレストランを
通路から見る(翌朝の写真)

エレベーターを降りると、修道院の外壁に沿わせ、後から造られた廊下があった。
このエレベーターも廊下も、新館を建てる際に造られたもののようで、歩くとミシミシと音がなり、ちょっと怖かった。
エレベーターから続く廊下は、新館の建物とも、若干離れて設けられていて、1メートルくらいの渡り廊下のようになっている所を通って、各客室にアクセスするようになっていた。
私たちの部屋は、1階(日本でいう2階)だったため、段差のない廊下だったのだけれど、それより上の階になると、客室までのアクセスが階段になっていた。
修道院の建物と新館では、階高が違い、エレベーターは修道院の階高に合わせて階の設定をしているため、そのような造りになっているのだけれど、それがまたデザインの一部といった感じで美しかった。(けれど、スーツケースを持っていたら、少し面倒かも。)

...
翌朝撮った廊下の写真
左がエレベーターから続く通路(奥がエレベーター)。
この廊下を曲がると、新館の客室に面した廊下になっている(右の写真)。
右の写真は、私たちが泊まった階の廊下から撮ったもので(客室は左手)、
上の階からは階段で客室にアクセスするようになっている。

客室は、思いっきりウナギの寝床だった。
幅が細めのツインベッドを二つ並べた幅+αくらいしかないのだけれど、奥行きだけはある。
一番奥が広いバルコニー、そして、ソファースペース、その手前にベッド、そしてその手前には、間仕切りなどなく、洗面スペースとバスタブがあるのだ。
「ジャン・ヌーベルが快適な居住空間を設計するとは思えない」なんて話していたのだけれど、予想を超えたレイアウトだった。
(でも実際、4泊するうちに、どんどん慣れてきて、最終的には『使いやすいレイアウトだった』と思っている。ただし、女性同士など、お風呂に入っている所と同室の人には見られるのは嫌だという人達には、向いていない客室だと思う。)

分かりにくいけれど、
赤いカバーがかかっているのがベッド
ガラスのルーバーで仕切られ、
手前にバススペースがある

バスタブの手前には、何故かまたソファーベッドのようなものがあった。
「ケンカしたら、離れ離れで寝ることが出来るねー」と言うと、このベッドは上部がダクトスペースになっているのか、寝台車のベッドのように天井が低くなっていたので、「俺は閉所恐怖症だから、ここで寝るのはおまえのほうだぞ」と念を押された。
私もさすがにこんな所で寝るのは嫌なので、ケンカはしないようにしようと心に誓った。(?)

部屋のチェックを軽く済ませ、このあとは夕食へと繰り出すことにした。
しかし、この日は日曜日。
メインストリートを歩いて、そこから横道にも入ってみたけれど、開いているお店は、ドイツ料理とアイリッシュパブとイタリア料理のお店という、全て異国の料理だった。
散々行ったり来たりしたのだけれど、結局その他のお店を見つけることはできなかったので、一番静かそうなイタリア料理のお店に入ってみることにした。
(後日アヴィニヨンを散策してみて、メインストリートをもう少し先まで行った所に広場があり、レストランがたくさんあるのを発見した。広場に面したお店なら、多分日曜日でも開いていたのだと思うのだけれど、この日は、中心地へ出る手前の飲食店の少ない範囲内を、グルグルと回ってしまっていたのだ。残念・・・。)
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.....

ワインはロゼ↑

←初めて見るペリエのボトル。

選んだお店は、かなりチープな味だった。
パスタは、アルデンテとは程遠く、ラグーソースは深みの全くない味だった。
まぁ、イタリア以外のヨーロッパの国で食べるイタリアンで、当りだったことはほとんどないので、予想の範囲内とも言える。

頼んだ料理の中では、大きなパンをスライスしたもので作ったピザのようなものだけが、ガーリックが効いたしっかりとした味で、チープな味とはいえ、結構好みの味だった。
夫は途中で、「もうここの不味い食事はやめて、明日にかけるぞ!」と言って食べるのをやめていたのだけれど、私はその後もピザ風のものを、ずっと食べ続け、夫に「おまえ、こんな濃い味のものを食べたら胃がもたれるぞー」と言われつつも、完食してしまった。

こうして、アヴィニヨン初の食事を終え、ホテルまで歩いて戻って、仕切りのないバスルームでシャワーを浴び、眠りについた。

→ アヴィニヨンのホテルについて

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