Sicilia 2008

旅日記 6日目(2008/01/01)-14

... この日の夕食は、ホテルのレストランを利用することにしていた。
20時になってから身支度を整え、レストランへ降りていくと、先客は1組しかいなかった。

フロアの中ほどの席に通された。
テーブルには赤地に金糸の模様があるテーブルクロスがかけられていて、中央には、テーブル番

号をデザインした陶器の置物と、オリーブオイルの瓶が置いてあった。
フロント前にあったものより大きな暖炉もあって、あのスペースのように、いろいろと細かい飾りも施されていて、とても雰囲気のよいレストランだった。

最初にワインをボトルで頼み、それを飲みながら、メニューと格闘したのだけれど、店主が注文を聞きにきてくれた時には、まだメニューが解読できていなかった。
すると、店主が「こちらで選びましょうか」というようなことを言ってくれたので、思い切ってお任せしてみることにした。
この店主は、ホテルのオーナーなので、ホテルのWebサイトで何度も顔写真を見ていたせいか、妙に親近感を感じてしまっていたのだ。

シチリアのワイン

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お通し

オーナーは、どういう風にメニューを組み立てるか、と聞いてくれたので、前菜2品、パスタ1品、セコンド1品を頼むことにした。
セコンドについては、魚か肉か聞かれ、肉を選ぶと、牛か羊かどちらか、と聞かれたので、牛肉を選んでみた。

しばらく待っていると、前菜の1品目が運ばれてきた。
一人に一皿ずつ持ってきてくれたので、シェアして盛り付けてくれたのかな?と思っていたのだけれど、二品目の前菜の量を見て、目の前の皿は0.5人分ではなく、1人分なのだろう…と確信した。
私達は、二人で前菜2品、パスタ1品、セコンド1品、全てシェアして食べるつもりで頼んだのだけれど、シェアするとは伝えていなかったので、一人ずつに、この品数が、私達が頼んだつもりの2倍の量が供されてしまったのだ。
よく考えたら、こちらではほとんどシェアして食べるようなことはないので、店主がそう解釈するのは当然のことだろう。
今から、一皿ずつに替えてくださいと頼んでも、もう調理には入ってしまっているだろうから、申し訳ないので、このまま食べ進めることにした。
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しかし、この後、先客のご夫婦の所に運ばれてきたお肉料理の皿を見て、『一人分だ』という確信が揺らいだ。
ご夫婦の所に運ばれてきたお皿は、旦那さんと奥さんで違う肉料理だったのだけれど、どちらも大食いコンテストに出てきそうな大きさの肉で、奥さんが大爆笑していた。
私達もそれを見て、あっけにとられていると、奥さんが「良かったら半分食べてちょうだい」というようなことを言って笑っていた。
英語を話していたけれど、奥さんは食事中、ずっと笑って、ものすご〜く幸せそうな顔をしていて、旦那さんは、渋い声の口数の少ない、ステキなご夫婦だった。
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次にパスタ・セコンドと順番に運ばれてきたのだけれど、私達の肉料理は、比較的小ぶりで、まだ、「もしかしたらシェアして盛り付けてくれているのかな?」という思いも消えなかった。(結局お会計をしてみて、この食事代が100ユーロだったため、やはり2人分だったんだな、という結論づけてみた。オーナーもさすがに頼み過ぎだな…と判断して、私達の肉料理はポーションを小さくしてくれたのだと思う。)

私達の肉料理は、先客のご夫婦の肉料理の4分の1くらいの大きさだったけれど、さすがにもうお腹いっぱいで、私はほとんど食べることができなかった。
しかも、前菜やパスタは、しっかりとしたイタリアらしい味付けだったのだけれど、この肉料理だけは、ほとんど焼いただけというような味付けだったのだ。
先客のご夫婦も塩コショウをもらって食べていたので、私達も真似して、塩コショウを貰うことにした。

夫は、何度も何度もガリガリして食べていたけれど、私は、こういうお店で完成したお料理に塩をかけるのって失礼なことだよねぇ…と思って、店員さんが近くにいない瞬間を狙ってコソコソとかけていた。
でも、私の後ろのテーブルでオーナーのファミリーが食事をしていたのだけれど、夫が「さっきからオーナーも、ガリガリ塩をふりかけながら食べているよ」と言っていた。
このレストランの肉料理は、『最後の味付けはお好みで』というものなのかもしれない。

なんだか、一人分だったのか二人分だったのか分らないけれど、とにかく量が多すぎて、残してしまったけれど(注文の仕方を失敗したのだろう)、とりあえず、満足出来る食事だった。
さすがに、もうデザートは無理だったので、コーヒーだけ飲んで、部屋へ戻った。

→ このホテルについて

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